臨床研究部このページを印刷する - 臨床研究部

    当院の臨床研究部は平成23年4月1日に発足しました。国立病院機構の業務としては、診療、教育および研究が挙げられます。その中の1つである臨床研究を推進する部門が臨床研究部で、以下に示す6室を設けています。

〇研究についてのお知らせ

〇臨床研究部紹介動画はこちら

〇研究費及び研究活動に関するガイドライン
 

臨床研究推進室(室長:橋爪 俊和 臨床研究部長)

 本研究室は、臨床治験の速やかな遂行ならびに種々の臨床研究を進めるための援助・支援を行っています。小児アレルギー科においては呼吸音の革新的な解析方法を産学共同研究により開発し、特許取得を達成し、国際的評価を得ています。また、さまざまな第4相臨床試験や看護研究も行い、それぞれ臨床へのフィードバックを目指して研究を進展させています。
  臨床研究は、国立病院機構が取り組んでいる業務の大きな柱で、とくに多施設ネットワークを用いた情報の集積は、病態や治療効果の解析に多大な貢献をしています。当院では、多くの部署で自主研究が多数行われ、また、治験については、治験管理室長(室長が兼務)、業務主任の薬剤部長を中心に、治験コーディネータ4名が担当医師とともに、多くの治験を遂行しています。
 

がん制御治療研究室(室長:木下 貴裕 統括診療部長)

 当院はがん診療連携拠点病院であり、5大がん(肺がん、胃がん、肝がん、大腸がん、乳がん)の診療に精力を注いでいます。各エキスパートによる最新治療の提供、地域医療連携カンファレンスや市民公開講座での啓発活動等、がん対策を積極的に進めています。
 当研究室は、各種がんの診断法の確立、治療技術の向上を目的に、当該診療科の精鋭によって発展させていきます。
 

 感染制御研究室(室長:川﨑 貞男 教育研修部長)

 巷に耐性菌の話は数多く、新型インフルエンザをはじめ新しい病原体も次々と出現しています。そんな中、人類として新しい薬をどんどん繰り出してそれらに立ち向かえるのかというと残念ながらそう簡単ではなく、新規に開発される薬剤、とくに抗菌薬(細菌に対して用いる薬剤)はごく僅かしか候補がありません。
 感染制御研究室では、従来からある薬剤をいかに効果的に使うか、薬剤を有効に保つためにどのように適正に使用するか、を定期的に当院スタッフに指導していきます。また感染症の難治症例に関して、主科とともに併診し、適宜助言します。
 

循環器病治療研究室(室長:橋爪 俊和 臨床研究部長)

 我が国の高血圧患者が推定4000万人、糖尿病患者が推定1500万人、脂質異常症患者が推定2000万人とされています。いわゆる循環器疾患の危険因子を保有した人が約3分の1の国民に存在するわけで、循環器疾患に関する研究は取り組むべき必須の領域であることはいうまでもありません。当研究室では、高血圧に関しては、Ca拮抗薬の抗炎症作用の検討、動脈硬化指標であるCAVIを用いた体位変換による変化、腎臓画像診断(エラストグラフィーを用いる)による高血圧患者の層別治療指標の開発などを実臨床で行っています。また、増加の一途をたどる虚血性心疾患の診断・治療についても積極的に取り組んでいます。まず、診断では123I‐BMIPPを用いた安静時心筋シンチで虚血の判定・リスク評価を検証し、またLDLコレステロールが低いにもかかわらずACSを生じる症例があることから、脂質異常症をトータルに考え直すため、種々の脂質マーカーを測定し、ACS予防策を見出す努力をおこなっています。治療については新しい抗血小板薬の急性冠症候群(ACS)に対する国際共同治験を施行中です。また、ストロングスタチンのプレイオトロピック効果を期待し、ACSの超急性期(PCI治療直前)に適正投与し、スタチンの心保護作用ならびに予後改善効果の検討を計画しています。虚血性心疾患はもとより種々の心疾患の終末像である心不全に対しても、新しい治療法であるASVの急性効果も検討しています。また、心不全の有効な治療法は非常に高額なデバイスを使用すればある程度の効果をあげていますが、もっと簡易かつ調節可能な薬剤としてエイコサペンタエン酸投与による心不全予後改善効果の検討も計画しています。

 希少疾患である肺高血圧症(特発性・二次性)に対しても国際共同治験に参加し、創薬の開発にも携わっているとともに、近年導入された新規治療薬を慎重に使用しつつ難治性疾患の進行防止効果を検討しています。

 不整脈については、慢性心房細動患者が予想以上に多く、当院の脳梗塞患者の多さを物語っていますが、心不全を発症する症例も多く、慢性心房細動におけるARBの有用性を今後検討していく予定です。

以上のような、小規模施設ながら多岐にわたる循環器疾患の研究を同時進行し、日本循環器学会はもとより、日本高血圧学会、日本核医学会、欧州ならびに国際高血圧学会などの学会活動を積極的に行っています。
 

 脳神経脈管病態研究室(室長:中村 善也 特命副院長)


 脳卒中急性期の患者では最新のエビデンスに基づいた救急医療を、薬物治療・外科的治療・脳血管内治療の3つの面から実施・探求しています。現在は一過性脳虚血発作の治療成績調査や脳保護薬の市販後調査に参加している。また頭蓋内・頚部血管内治療後の患者に対し、中長期的治療成績の追跡調査などをおこなっている。治療に関しては、救命救急センターとの連携による24時間の救急診療体勢をとっている。また、薬物による保存的治療、脳外科手術的治療と脳血管内治療の3方面からの治療選択を最新のエビデンスに基づいて行い、治療成績向上のため努力している。一方で脳卒中後の慢性期患者や脳卒中を発症していないハイリスク患者では、エビデンスにもとづいた予防的医療をおこないながら臨床研究をおこなっている。現在はとくに抗高脂血症薬の頚動脈プラークへの影響や頚動脈プラークの自然歴の追跡調査、頭蓋内動脈硬化症をもつ患者の自然歴調査などをおこなっている。 

肝臓病診断治療研究室(室長:籔内 以和夫 副院長)

 当院は平成22年12月に、肝疾患診療連携拠点病院に指定されました。肝疾患診療の究極の目的は肝がんの発症予防で、これまですでに「肝がん撲滅キャンペーン」として、様々な活動を行ってきました。当研究室では、肝がんの前駆病態であるウイルス性肝疾患と早期肝がんの診断法の研究と抗ウイルス療法のさらなる改良を目指します。
 

臨床研究部活動報告

 

平成24年度活動報告 

平成25年度活動報告

 平成26年度活動報告 

平成27年度活動報告

平成28年度活動報告

平成29年度活動報告

平成30年度活動報告