長期実務実習
南和歌山医療センター薬剤部では、「実務実習モデル・カルキュラム」の一般目標が達成できるよう、また、基本的にすべての日常業務が体験できるカリキュラムが作成されています。
長期実務実習生は、チーム医療のICT、NST、緩和ケアチーム等に、経験あるスタッフと同行し他職種職員とのコミュニケーションやチーム医療の活動を体験します。また、実習の最後には、指導薬剤師のもと行ってきた研究テーマについて薬剤部内で発表します。
私たちは、当センターでの長期実務実習を受ける実習生に可能な限り臨床現場でいろいろな経験ができるような場を提供したいと思っています。
長期実務実習生課題発表の風景 |
長期実務実習生の感想
平成27年度長期実務実習生
実習が始まる前は、こんな自分が2か月半もの実習期間を乗り越えられるのか不安でした。実習先が南和歌山医療センターに決まって、実習生が自分ひとりだと知りさらに心配になりました。
実習初日、不安を抱えながら薬剤部に行くと、皆さんがとてもあたたかく迎えてくださり、2ヶ月半頑張ろうと決意を新たにすることができました。
実習では、調剤室業務に始まり、薬剤師の先生方からの講義も受けさせていただきました。一人の指導薬剤師だけに教えていただくのではなく、それぞれの薬剤部の先生方に教えていただけたので、少しずつですが自然と会話もできるようになりました。どの先生もとても丁寧に優しく教えていただき、わかりやすかったです。
実習後半は、各病棟のそれぞれの担当薬剤師の先生と病棟を回りながら指導していただきました。実際にカルテを見ながら患者さんの疾患などについて説明を受けたり、その疾患にはどのような薬剤を使うかなどまで、幅広く様々なことを教わりました。自分の知識が足りず、わからないことが出てきたときは調べる時間を与えてくださったり、自分なりに調べた後にも解説してくださったりと、本当に丁寧に指導していただきました。薬剤師の先生と一緒に患者さんの担当もさせていただき、服薬指導や薬剤管理指導なども行うことができました。指導の後にはフィードバックもしていただけたので、次に活かすことができました。
薬剤部以外に、他職種(乳がんオペ、心理、検査科、放射線科、栄養科)の見学もさせていただき、いろんな職種の方の話を聞くことができて、勉強になりました。
実習を通して一番印象的だったのは、薬剤師の先生方のコミュニケーション力の高さです。医師の先生や看護師の方なども薬剤について気軽に尋ねられていましたし、患者さんの指導に行った時には、世間話をしたりもしていて、患者さんも楽しそうでとてもいい雰囲気でした。コミュニケーションはチーム医療にとってなくてはならないものだと思うので、自分も先生方を見習いたいと思いました。
このような素晴らしい病院、素晴らしい薬剤師の先生方の下で実習ができて、先生方をはじめ、実習に関わってくださった病院職員の方々には心から感謝しています。将来、自分が薬剤師になったときにお会いすることがあれば、その時に先生方に「成長した。」と言っていただけるように、これからも頑張りたいと思います。本当にありがとうございました。
沖野 希(神戸薬科大学)
平成24年度長期実務実習生
南和歌山医療センターでは充実した実習プログラムを実施していただき、知識の向上はもちろんのこと、医療者としての意識を高めることができました。また、薬剤科の先生方が患者さまととても深い信頼関係を築かれていることを実感し、病院薬剤師としてのやりがいを私なりに見つけることができたと思います。
病棟実習では、実際に患者さまへの服薬指導を体験するだけでなく、他の医療従事者への情報提供や処方提案についても学ぶことができました。
感染制御チーム、栄養サポートチーム、緩和ケアチームといったチーム医療のカンファレンスや回診にも何度か参加させていただき、医療従事者の方々との連携についてもとても勉強になりました。
この実習を通じて自分に足りない知識や考えていくべきことが明確になり、今後の課題を知るきっかけとなりました。
優しく丁寧に御指導くださった先生方には本当にお世話になり、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。この実習中の経験を忘れず、将来に活かせるよう頑張っていきたいと思います。
和田 祥子(摂南大学)
平成23年度長期実務実習生
私は、南和歌山医療センター薬剤科にて実務実習をさせて頂きました。現在、薬学部が6年制となり、4年次に薬学共用試験(Computer Based Testing…CBTとObjective Structured Clinical Examination…OSCE)に合格した者が、5年次に病院・薬局実務実習を各々11週間行うことになっています。私も薬剤師を目指す一人で今回、本院でお世話になりました。
近畿地区内に実家のある学生の実務実習は、大学のある大阪ではなく実家の近くで実習を行うことになっており、今回の南和歌山医療センターでの実習生は私一人でした。最初は300床規模の病院で一人というのは少々心細い気もしましたが、終わってみると、かえってそちらの方が良かったと今は思っています。というのは、実習生が一人のため、私自身が先生方にご指導いただく時間が多く、また、患者さんに接する時間も十分に頂けたので、服薬指導の際、患者さんと先生方とのコミュニケーションの場面も多数見学させて頂くことができました。加えて、服薬指導へ行く前には患者さんの状態についてカルテを基に、詳細に読み取るようご指導して頂けたおかげで、自らが服薬指導へ行かせて頂いた際には、自分なりのコミュニケーションを何とか確立することができ、患者さんの状態の把握や的確な説明を行うことが出来たように思います。
他にも、南和歌山医療センターで実習が出来て良かったと思えることがあります。それは、何といっても職員の皆さんが気さくで、やさしく接して頂けたことです。私は、すぐに緊張してしまう性格なのでこのような環境が非常に嬉しく感じました。また、そのような病院の環境のせいか、職員の皆さんの間には壁を感じさせず、職種の連携もスムーズに行われていました。
よくチーム医療という言葉を耳にしますが、ともすれば色々な職種の医療者が患者さんに関わっているだけで、情報を共有できていなかったり、意見を自由に交換できていないことがあります。しかし、南和歌山医療センターでは、職種の壁を感じさせない雰囲気のおかげで薬剤師は医師、看護師だけでなく検査科や放射線科などからも患者さんの情報をより多く的確に収集し、患者さんにフィードバックすることが出来ていたと感じました。
私が他の病院へ実習に行っていたなら、このような連携や病院全体としての働きやすい、よい雰囲気にも出会うことはなかっただろうと思い、あらためて南和歌山医療センターでの環境、実習に感謝しています。
今回の実務実習では技術面、薬学的知識の面でも勉強になりましたが、コミュニケーションの技能や患者さんとの接遇における薬剤師としての在り方まで学習でき、大変有意義な実習になりました。南和歌山医療センターで得ることの出来たこれらの知識・経験を、6年制薬学部を卒業した薬剤師として、即戦力になるよう活かしていきたいと思います。
舛田 一行(大阪大谷大学)