救命救急科からの一言このページを印刷する - 救命救急科からの一言

    救急医療というのは消化器内科とか心臓外科とかいった臓器、器官の系統的な医学とは少し意味合いが違います。あなたは救急という言葉にどういったイメージを持っていますか?多くの場合、①腹痛、感冒、頭痛などを診る事。②休日や夜に患者を診る事。③死にそうになっている患者さんを診る事、など様々でしょう。では、当院での救命救急科での研修では何をするのでしょう?答えは“全てやっていただきます”です。

    私は、救急医療という仕事は、“目の前に患者さん(体の問題で困っている人)は、とにかく診る。そして、最初の1時間は頑張れる。”事だと考えています。救急医療とは目の前に、困っている人がいてそれを何とかしてあげられるという、人としての根源的な欲求を満たす快感に満ちています。そして、全ての医師はこの欲求を忘れてはいけません。

    救急の研修は、どんな患者さんであっても自分で診て、自分の頭で考えて、自分で出来る事はして、出来ない事は出来る人を探す。そして、自分にできる事を、少しずつ増やしていく事が救急の研修だと考えています。ですから、“3日前からの腹痛”も、“1時間前からの胸痛”も、“心肺停止患者”も同じように診療していただきます。出来る事を増やすためには、救命救急科のパワーだけでは足りませんので、病院全体の医師がアシストしてくれます。研修のポジティブな要求には、可能な限り応えていきます。

    都会の病院のようにたくさんの症例を経験するわけにはいかないかもしれません。しかし、当院のような病院は、1例1例を大事に深く考え、疾患をパターナリズムで診療していくのでなく、病態の本質を考えて診療する事を学べる環境だと思います。その本質を考える手助けをする事が、私たちの仕事だと考えています。

    私は、おいしい料理をあなたの口には持っていきません。しかし、あなたに、おいしい料理の食べ方を教える事は出来ます。よろしかったら、一緒においしい料理を食べに来ませんか?